日本海にぎわい・交流海道ネットワーク総会

来 賓 挨 拶

中国地方整備局 副局長
藤田 武彦
 
 ご紹介いただきました、地元・中国地方整備局副局長の藤田でございます。本日は「日本海にぎわい・交流海道ネットワーク」の総会の開催、誠におめでとうございます。北は北海道稚内から、南は長崎の対馬まで、はるばる私どもの中国地方整備局管内までお越しいただきまして誠にありがとうございます。

 平成のはじめ頃、10数年前ですけれども、下関にあります当時の第四港湾建設局で企画課長をやっておりまして、その際当時神戸にありました第三港湾建設局と広島で話し合いの場がございました。それが「瀬戸内・海の路ネットワーク推進協議会」のはじまりで、第1回の総会が平成3年にありました。「日本海にぎわい・交流海道ネットワーク」については、平成7年から活動が始まり、「瀬戸内ネットワーク」とは姉妹プロジェクトということで承知しております。

 昨年が10周年ですから、丸10年間、今日までこの活動に取り組んでこられた関係者の皆さんに、心より敬意を表する次第であります。

 さて、政府は経済の踊り場を脱出しまして、これから成長の軌道に乗るというようなことを言われておりますけども、なかなか国内の力強い景気回復に至っていない状況であり、国内の物流もなかなか活発化しない、という状況にございます。

 日本海での物流、人流といえば、新日本海フェリーがございます。ちょうど「日本海にぎわい・交流海道ネットワーク」の沿岸を走っており、寄港地は舞鶴、敦賀、それから小樽などで、これはなんとかがんばっております。もう一つの東日本フェリーは寄港地が博多から直江津、室蘭などですが、今非常に苦戦しており、なんとか会社更生法で甦ったかなという状況になっております。

  一方、目を外国に転じますと、日本の外交収支は、今絶好調であり、その影響で造船業も絶好調、鉄鋼も絶好調という状況でございます。これはひとえに外国貿易の賜であり、経済活動が非常に活発になっております。その世界の中でこの極東アジアの荷物は、さらに突出して伸びておりますが、これは日本の製造業が、東南アジアあるいは中国、ロシアに水平分業というかたちでどんどん進出をしているということの影響も大きいかと思います。ついこの前もトヨタもロシアのサンクト・ペテロブルグに進出を決め、今工場建設中という状況でございます。中国とかロシアの経済の拡大が非常に顕著でありますが、「日本海にぎわい・交流海道ネットワーク」の地域は、そういった伸びの著しい極東アジアに対峙しており、その土地の利を生かして、なんとか一工夫できないか、と考えている次第でございます。

  もうひとつ、鳥取市長さんが今おっしゃいましたけども、港をにぎわい・交流の拠点として育てていきたい。明日、この会の現場見学会で、「鳥取・賀露みなとオアシス」を見ていただくことになっておるかと思います。私も先ほど、あそこでイカ丼を頂戴してまいりました。「みなとオアシス」も16年1月に第1号として鳥取・賀露、瀬戸田の認定でスタートし、中国と四国で展開してきたところ、つい最近、東北地方整備局の管内でも、複数の「みなとオアシス」を認定したということでございます。これも全国的な広まりを見せてきたかなという状況であります。

  私は今日、胸に「YOKOSO!(ようこそ)ジャパン」と書いたバッジをつけております。政府をあげての「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を現在展開中で、これは外国人をもっと日本に呼びこもうという活動です。今までは日本人がもっと外国に遊びに行こうじゃないかと、テンミリオン計画ということで、1千万人を目標に掲げてがんばっておったわけですが、現在は海外へ行く日本人は1千6百万人にもなりました。しかしながら、外国から日本に来るお客さんは5百万人であり、比較すれば非常に少ないため、これがいろいろと問題になっております。日本人が外国に行くのと同じ位とは言いませんが、これを何とか改善して、少なくとも2010年までに1千万人にしようということで、政府をあげて取り組んでおり、そのキャンペーンが、このバッジの「ようこそジャパン」です。そういった外国から日本に訪れるお客さんの受け皿として、みなとオアシスも港全体の中で、そのような役割を演じていかなきゃいけないのではないかなということも考えておるところでございます。

  そこで、「日本海にぎわい・交流海道ネットワーク」ですが、文字通り、日本側の沿岸の港だけではなく、日本海を取り巻くロシアとか韓国とか中国とか、そういった港の関係者もいずれはこのネットワークの中に参加してくれることを、ちょっと夢物語のようですけれども願っている次第でございます。

  最後になりましたけども、「日本海にぎわい・交流海道ネットワーク」のますますの発展と、今日ご参集の皆様のご健勝を祈念し、あわせて本日の総会の労をとっていただきました竹内鳥取市長、鳥取市の皆さん、境港の中村市長さんに感謝を申し上げまして、いささか長くなりまして恐縮ですが、私のお祝の言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
日本海にぎわい・交流海道ネットワーク総会