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日本海にぎわいとは

基本方針

「日本海にぎわい・交流海道」の形成

港湾を核として、地域間の交流による発展をめざす「日本海にぎわい・交流海道」。地域独自の資源を活かしながら、交流と連携を進めることで、新しい文化や価値を創造し、地域の発展を図ることを目標としています。

1. 基本理念

 古くから日本とアジア大陸を結ぶ掛け橋となってきた日本海は、東西冷戦の終焉を期に、ふたたび交流の海として蘇りつつあります。

 また、「新たな国土軸・地域連携軸の形成」と「地域特性を活かした積極的な役割分担」が求められている今、日本海沿岸地域は、「多軸型国土構造形成」を目指すひとつの軸として「日本海国土軸」が位置づけられ、環日本海の交流を推進する地域としての期待が高まっています。

 このことから、「日本海にぎわい・交流海道」は、地理的、歴史的、経済的、文化的に関係の深い日本海沿岸各地域の、対岸諸国までも含めた相互理解、協力、連携を促進し、日本海を舞台として新たな交流圏を創出していくことで、「沿岸地域の更なる発展」と「国土の均衡ある発展」を目指していきます。

2. 4つの基本方針

環日本海の交流の歴史や文化を活かす

 古代からの対岸諸国との交流、そして近世の北前航路による国内各地との交流など、環日本海の交流の歴史や文化資源を、歴史的港湾環境の整備などを通して活用、継承していきます。

日本海を経由した国際交流を促進する

 世界の成長センターとして躍進を続ける東アジアとの幅広い分野での交流活動を促進することで、相互理解を深め、貿易の拡大や企業進出などの国際分業を図りながら、環日本海地域相互の経済的発展を目指します。

日本海を通じた国内交流を促進する

 かつて北前船により結ばれていた日本海沿岸地域の歴史・文化資源などを活用し、これらを結ぶ観光ネットワークや船舶などによる新たな交通ネットワークの整備を進め、日本海沿岸各地域の交流を促進します。

日本海沿岸域の連携を促進する

 日本海沿岸地域は、東アジアにとっての消費、生産市場、研修・教育・研究センターとして重要な役割を果たしていくことが期待されています。その期待に応え、自らの地域の発展を図るためにも、「日本海国土軸」の形成を目指すとともに、「沿岸各地域の連携」を促進していきます。

3. 日本海にぎわい・交流海道づくりへの3つの取り組み

(1)情報の発信
姉妹都市ウラジオストックへの市民交流クルージング(新潟県新潟市)

姉妹都市
ウラジオストックへの
市民交流クルージング
(新潟県新潟市)

 国内外との交流を活発に行うためには、地域自身が積極的に外へ向けて情報を発信していくことが必要です。日本海沿岸地域では、地域独自の特性を活かし、自らの地域を積極的にアピールする取り組みが、既に各地で行われています。

 長崎県の対馬・厳原町では、「国境の町」「朝鮮通信使ゆかりの地」として朝鮮通信使縁地連絡協議会を結成し、「対馬アリラン祭」など市民レベルの日韓交流を深めています。

 また、新潟市では、明治元年(1868年)に開港した新潟港の百30周年記念イベントとして、新造客船「ぱしふぃっくびいなす」での姉妹都市ウラジオストックへの市民交流クルージング、帆船「日本丸」の寄港イベントなどを地元関係団体の協力のもとに開催しています。

(2)観光・物流ネットワークの開拓
ロシアサハリン州コルサコフとの定期航路の開設(北海道稚内市)

ロシアサハリン州
コルサコフとの
定期航路の開設
(北海道稚内市)

 かつての北前船が日本海沿岸各地を結び、地域の経済や文化の向上に大きく貢献したように、地域同士を積極的に結びつけていく取り組みは、互いの地域を高め、経済や観光などさまざまな交流の発展につながります。

 北海道の稚内市では、戦前に定期航路のあったロシア・サハリン州コルサコフ(大泊)との航路復活を目標に、合同会議を組織するなどの活動を展開。その結果、約50年の時を経て平成7年4月に、ふたたび稚内港・小樽港とコルサコフ港とを結ぶフェリー航路が開設されました。

 また国内での交流では、秋田・津軽地域、佐渡・弥彦地域などで、観光連絡協議会といった広域観光ネットワークを目指す取り組みも行われています。

(3)交流基盤の整備
夢みなと公園の整備(鳥取県境港市)

夢みなと公園の整備
(鳥取県境港市)

日本海拠点館・あじがさわの整備(青森県鯵ヶ沢町)

日本海拠点館・
あじがさわの整備
(青森県鯵ヶ沢町)

 交流の舞台となる空間(施設)づくりもまた、各地で進められています。  鳥取県の境港市では、1997年に開催された「山陰・夢みなと博覧会」で使用した施設をビジネスや観光などの交流基盤として活用するため、リニューアルを進めています。

 夢みなとタワーは「物産観光センター」や「FAZ展示物産センター」「FAZオフィス」などに、環日本海交流村の倉庫は「冷蔵倉庫」に改造。周辺には「みなと温泉館」や「境港お魚センター」などが建設され、交流空間としての環境が整いつつあります。

 また、青森県・鰺ヶ沢町では、平成9年7月に国際貿易港を目指して開港した「七里長浜港」とともに、環日本海交流を一層促進するための象徴的な複合施設として「日本海拠点館・あじがさわ」がオープンしました。