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日本海を知る

気候・風土

日本海とその沿岸地域

北は北海道から南は九州まで。日本海沿岸地域の四季折々の美しい景観と豊かな自然、風土。それは日本海がもたらしてくれた大切な財産です。

(1)日本海の生いたちと歴史的役割

尖閣湾(新潟県佐渡島)

尖閣湾(新潟県佐渡島)

千畳敷(青森県)

千畳敷(青森県)

日本の国土の約3.5倍の面積を持つ日本海(約130万km2)は、今から3千万年~1万年前の間に、火山活動、海水面の昇降による隆起や沈殿、気候変動などが繰り返し起こって誕生したと考えられています。現在、日本海沿岸各地に見られる段々地形(海岸段丘)や海食崖、埋没林などの特徴ある景観は、日本海誕生までの変遷を裏付けるものとしても考えることができます。

また、リマン海流(寒流)と対馬海流(暖流)の2つの海流を持つ日本海は、大陸からの文化・技術を日本にもたらす「交流の海」としても大きな役割を果たしてきました。弥生時代に発達した水稲耕作技術は、日本海を経て日本に着いた渡来人によって伝えられ、渤海使は北西の季節風と海流に乗って北陸沿岸に辿りついたとされています。

(2)日本海側の気候・風土

天橋立(京都府)

天橋立(京都府)

越前海岸(福井県)

越前海岸(福井県)

日本海側の気候の特徴は冬も降水量が多いこと。これはシベリアからの冷たい季節風が日本海を吹き抜けるときに、対馬海流により表面水温が上昇した水域から多量の水分を吸収し、日本列島の脊梁山脈を越える際に激しい上昇気流となって日本海側に多くの雪を降らせるからです。

冬の降雪は稲作に必要な灌漑用水の源となり沿岸地域を「豊かな米どころ」にしています。また、寒流と暖流の潮境が広範囲にわたって存在することが、日本海に「豊穣な漁場」を形成しています。

夏は穏やかで、冬は荒波のたつ厳しい表情を見せる日本海。季節によりさまざまな顔を持つ日本海の存在が、沿岸地域の美しい景観と豊かな自然、風土を育んできたのです。

日本海の成立過程